コラム理想の家
家作りを考えている方にとって、〝良い家〟を持つためには、
これからの時代の流れや住宅業界の変化を知ることが重要だ、
というお話をしました。
第2回目となる今回のコラムは、
今現在、そして未来の日本の住宅事情についてお話しします。
今、日本にどれくらいの空き家があるか知っていますか?
平成26年、国土交通省の調べによると、日本の空き家は756万戸と言われています。
この数字だけを見聞きしても、それがどれくらいのものなのか、
全然イメージが湧きませんよね?
では、東京都の総世帯数と比較してみましょう。
2015年4月現在、東京都の総世帯数は620万世帯と言われています。
日本の空き家は、日本で一番世帯数が多い東京都よりも130万戸以上も多い
というのが現状なのです。
そして、今後この傾向はさらに拡大すると言われています。
というのも、日本人の人口が年間で80万人減少しているからです。
2050年までに、人口が3,500万人以上減少すると予測されています。
日本は「増える社会」から「縮む社会」へと変わったのです。
住宅の新築着工数もこの20年間で半分以下に減少していますが、
今のままのペースで建て続ければ、30年後には全戸数の40%近くが
空き家になるという予測(※2013年9月に野村総合研究所が推定)
されたこともありました。
このままの状態でいくと、日本は空き家だらけになってしまうかもしれません。
もし、空き家だらけになってしまった街はどうなってしまうのでしょう?
まず考えられるのが、
住んでいる自治体のさまざまなサービスの手が行き届きにくくなるということです。
そして、街に人が少ない分サービスを受ける為に一人が払う額も大きくなります。
さらに、
周りに住んでいる人が少ないことで、地域の防犯力も確実に低下します。
貴方の家や家族を日常的に見ている人が少なくなるのです。
また、
人が住まなくなった家は、どんどん老朽化し傷んでいきます。
貴方が住む街が廃墟に支配され、景観を壊していくことも考えられます。
そうなってしまった街は、魅力ある街とはなかなか言えません。
貴方の家が建つ街の地価はどんどん下がっていき、
新たに「この街に住みたい!」と思う人がいなくなってしまうのです。
恐ろしい話かもしれませんが、
現実問題としてこうなってしまう街が出てくる可能性は大いにあります。
ですから、これから先の「縮む社会」を見越して、
今、空いている土地を分譲して宅地を増やしていくだけでなく、
住宅立地の集約をしていく必要もあるのです。
みなさんがが手に入れようとしている住宅の今と未来、
少しご理解いただけたでしょうか?
「縮む社会」へとなった日本は、これまでの考え方や生活も一変させます。
次回は、縮む社会が個人に与える影響についてお話しします。